持続可能な開発目標
持続可能な開発目標(SDGs)
多種多様な原料やシーンに対応可能なバイオマス技術を用いて、明和工業は国際社会が目指す様々な開発目標の達成に寄与します。以下では、明和工業の炭化技術により貢献可能な持続可能な開発目標(SDGs)の例を示します。
- 持続可能な開発目標(SDGs)とは
- 持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)とは、2015年に国連総会で採択された、国際社会が目指す2030年までの開発目標のことで、貧困削減や水衛生、生物多様性の保全、気候変動などの全17目標からなります。「地球上の誰一人として取り残さない(no one will be left behind)」をスローガンとしており、世界各国のあらゆる産官学セクターに達成のための積極的な貢献が求められています。
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河川の隣で投棄される排泄物汚泥(ケニア)
水衛生問題の改善
多くの発展途上国では、排泄物の不適切処理が水衛生問題の大きな原因の1つとなっています。例えばケニアでは下水道が行き渡っていないため、各世帯ではセプティックタンクやPITラトリンにトイレの排泄物汚泥を溜め、一杯になるとバキュームカー業者に収集してもらうという方式が広く見られます。収集された汚泥は1箇所に運び込まれますが、処理は不十分であることが多く、下水処理場の周辺では環境汚染や衛生問題が散見されます。処理場において汚泥を炭化することで、水衛生問題に由来する疾病の発生軽減が期待されます。
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低質炭の燃焼により無数の伝統家屋ゲルから発生する煙(モンゴル)
クリーンな燃料による大気汚染の緩和
今、世界の都市では大気汚染問題が深刻化しています。モンゴルでは各家庭や学校などの建物の暖房に、燃やすと煙が多く発生する石炭である「褐炭」が多く使われています。人口の都市集中が進むに従い、首都ウランバートルでは冬期の大気汚染が世界屈指の水準にまで悪化。PM2.5濃度の上昇により、喘息患者の数が急激に増加しています。明和工業の炭化技術では、この褐炭を煙の出ない石炭に改質し、またその過程で発生するガスを燃焼させることで、よりクリーンな熱源を提供します。本技術の普及により、大気汚染の低減に貢献します。
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地方中核都市の最終処分場。ごみと有害な煙により劣悪な環境となっている(ケニア)
最終処分場における容量逼迫の緩和
特に途上国では、生産や消費の過程で発生した有機ごみの多くが直接最終処分場に持ち込まれています。これらのごみは処分場の容量を圧迫したり、減容のために野焼きされ、有害な煙の発生原因となったりしています。市場や空港、中~大規模農場、食品工場などにおいて生じる有機ごみを炭化装置で再資源化すれば、これらの有機ごみが処分場に持ち込まれる量を減少させることができます。
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炭素循環のイメージ
経済的なインセンティブを伴う
気候変動緩和策有機ごみの多くは、最終的には放置されて腐敗するか、石油を用いて焼却処分されています。この時、二酸化炭素やメタン等が放出され、大気中の温室効果ガスが増加します(カーボン・ポジティブ)。バイオマスを炭化し、農業利用した場合、その分の炭素が地中に固定されることになるため、全体としては炭素の収支がマイナスとなり、大気中の二酸化炭素が減少します(カーボン・ネガティブ)。原料により値は変動しますが、例えば木質バイオマスを炭化した場合、炭100gの農業利用は、二酸化炭素160-170gの地中固定に相当するものと試算することができます。
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例年より雨が遅れたために全滅したトウモロコシ畑
炭化物の節水効果を活かした
気候変動適応策炭は多孔質であるため、土壌改良材として農地の保水性を高める効果が知られています。気候変動によって降雨パターンの予測が年々難しくなる中、炭の投入は天水に頼った農業を安定させるうえで最も簡単でパワフルな解決策の一つとなります。貴重な水を節約できることから、特に乾燥地農業での活躍が期待されます。
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ビクトリア湖を覆い尽くす水草。地元の水産業や交通に壊滅的被害を与えている(ケニア)
窒素循環の改善
過剰に投与された化学肥料は、雨の時に多くが農地から流失してしまいます。これらは河川に流れ込み、生活排水や下水と共に下流へと運ばれていきます。湖などの富栄養化はこのような栄養塩(窒素やリン酸)の循環に乱れが生じて起こるもので、アオコや水草の異常繁茂の原因になります。タンザニア・ウガンダ・ケニアに跨る世界第2位の淡水湖であるビクトリア湖では、ホテイアオイが爆発的に増殖し、地元の水産業や水上交通に大打撃を与えています。これらの水草や下水汚泥を炭化して農地に撒くことで、上流から流れ込んでくる窒素などの量を減少させることで、問題の緩和を図ることができます。
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違法伐採された木で作ったとみられる炭(ケニア)
砂漠化防止
世界各地で進行している砂漠化の主な原因の一つに、違法伐採があります。伐採された樹木は木炭や薪などの燃料となり、貧困層の熱源となっています。明和工業の炭化技術では有機ごみを煙の少ない炭に再資源化できるため、これを代替燃料として普及させることで、砂漠化や森林破壊に歯止めをかけることが可能です。
土壌劣化の阻止
砂漠化や化学肥料の過剰投与は、しばしば土壌劣化を引き起こします。炭化物は土壌改良材や自然肥料として使用可能なため、土壌の状態を改善し、長期的な農業・植林活動に貢献することができます。